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バンコクのラベル事情 日本市場の影響でPOPラベルが活況

2013年6月7日】成長著しいASEAN諸国の中でも、安定した政情と長年の親日国家、タイ。日本メーカーの自動車であふれかえるバンコク市内の道路は、日本と同じ左側通行。街中の看板も日系企業が多く、さらには日本でなじみのコンビニエンスストアがそこかしこに店を構えており、まるで日本にいるような錯覚に陥る。

 日本と異なるのは、タイには四季がなく、乾期と雨期に分かれている点。しかも国内の多くが低湿地帯であり、雨期には低地がまるで沼や池のようになる。その最たるケースが昨秋に発生した大洪水。日系企業の生産拠点が泥水に漬かった映像がニュースでも報道されたが、この大災害はタイのみならずアジアや欧米の経済にも打撃を与えた。しかし、現地人は「小規模の洪水はよく発生するからね。心配ない」と笑う。

 800万人が生活を営むバンコクは近代化が著しい。もちろん昔ながらの屋台が地域住民の胃袋を満たすことも少なくないが、交通網の発達した中心地には、巨大なショッピングモールが店舗を構え、多くの人々が買い物を楽しむ光景が見られた。
売り場はいずれも凝ったディスプレーが施され、買い物客の目を引く工夫が施されている。さらに、各商品のラベルに関しても、印刷品質はもとより、高い機能を付加するケースが多い。これについて売り場の責任者は「バンコク市内で生活している日本人や外国人を対象とした商品に、高品質・高機能なラベルが求められている。近年は、そのような傾向に引っ張られ、売り場全体の商品ラベルで品質が上がっていると感じる」と分析する。
 ヘアケア商品の売り場では、POPラベルが貼られた商品が多数棚に陳列しており、日本のスーパーマーケットさながらの様相。中には「ファッション誌に掲載された人気商品」との文字が印刷されたPOPラベルをはじめ、「日本製」や「韓国製」をアピールするために、国名や国旗のシールが採用されているケースも。
一方、チューブや容器へのラベルは透明の粘着フィルムが多用されており、この市場では「ノーラベルルック」が着実に浸透していることが伺えた。
タイの売り場では、いちブランドが陳列棚の上から下に至るまで、すべてを埋め尽くす光景が少なくない。売り場の責任者によると、メーカーが一定期間、その陳列棚を借り切って販促活動するためとのこと。棚一面が同じ容器で埋め尽くされ、種類の違いがラベルのみで表現されているのを見ると、売り場の美しさとラベルのデザイン性がマッチし、消費者の購買意欲をかき立てることを感じることができる。
食品ラベルは、日本製の調味料が火付け役となり、ネックハンガーラベルやフィルム系のPOPラベルが採用される傾向にある。ネックハンガーラベルは酒類にも採用されており、「ちょっとしたブーム」と、売り場責任者。
 缶づめラベルは日本のような直接印刷が少なく、代わりにシュリンクラベルが多用されている。しかも、サバ缶やツナ缶など、低価格商品にその傾向が強い。
酒類のラベルは日本の市場と大いに異なり、粘着ラベルが多く活用されている。デザイン性の高い異形ボトルにも、透明フィルムの粘着ラベルが貼付されており、その追従性には目を見張るものがあった。(内田)
 
「ラベル新聞」2012年11月1日号掲載

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