日本国内唯一のラベル関連専門紙

友功社、「点字・3Dラベル」 エンボス加工と印刷ワンパスで

 ㈱友功社(東京都練馬区谷原、☎03・3996・5333)は2009年に、原紙への粘着剤およびシリコーン塗工、印刷、後加工をワンパスで行うラベル製造システムを構築して以降、各種ラベル製品を開発。現在では、食品、物流、医薬、化粧品等ラベルのメーン需要分野向け商品ラベル、表示ラベル、POPラベルなどで採用されている。最近では、同ワンパスシステムによるライナーレスラベルや点字ラベルなどの製造を開始し、すでに大手メーカーの量産品で採用実績がある。ユーザーニーズにマッチするラベルを生み出し続ける同社の取り組みを取材した。
 
 複合的な技術により新しいラベル製品を世に送り出し続けている友功社。その取り組みは、常に「ユーザーの問題を解決する」ことから出発している。古くはリボン付きシールがそれに当たるが、それも、小売業からの、イベントシーズンに包装作業が大変なリボンがけをなくし、かつ包装のアクセントになるアイテムはないか、というニーズに応えたものだった。リボンとシールを一体化したラベルは、売り場で大量の包装作業をこなす店員に大好評となり、今ではギフトに欠かせないツールとなった。
 平圧、凸版輪転、同社開発で小回りの良い小型輪転からフレキソ、オフセットのほかインクジェットやグラビアユニットなど、あらゆる方式のラベル印刷技術により、最大12色までの一般ラベルを印刷。そのほかラベルコンバーティングを駆使した製品では、前述のリボン付きシールのほか、2層・多層ラベル、盛り上げ部分が折れず読みやすい点字ラベル、疑似ホログラムを採用しアイキャッチに最適な「ユーブリアンラベル」など、ラインアップも多い。さらに、バーコードデータやシリアルナンバーを印字しながらワンパスで100%検品して出荷する可変情報ラベルなど、加工だけでなくシステムとの組み合わせも得意とする同社。営業履歴をはじめ、受発注から製造、納品のほか、顧客へのリピート発注時期を知らせる機能も包括した『社内と顧客を結ぶ』システムも構築。営業と生産が統合的に動いている。
 
 開発品の方向性
 
 09年の粘着・シリコーン塗工、印刷、後加工ワンパス製造システム運用以降、同社が手がけるラベル製品はユーザーにとってより魅力的なものとなった。それにより生み出されるラベル製品は、顧客の製造現場や売り場の課題を解決できることが多いからだ。
 例えば、ライナーレスラベル。ユーザー側のラベリング工程がスムーズに運用できれば、剥離紙の廃棄やラベルの掛け替えなど、運用負担はかなり削減できるものとなる。同社のワンパス製造システムでは、ライン上でトラブルを起こさないようなラベル設計を一から行うことができ、専用ラベラーも開発・供給しているため、商品の最終ラインに組み込まれるラベリングラインでのエラーをなくすことができる。
既製粘着紙の粘着部分を非粘着化するのではなく、必要な部分だけにエマルジョン型粘着剤の塗工(ホットメルトも対応可)やシリコーン塗工を施すため、のりがラインに悪影響を与えることがない。このパターンコーティング技術が同社の大きな武器となっている。
 すでに食品会社の量産品ラインで同社のライナーレスラベルとラベラーが運用されトラブルもほとんどないという。同じく食品分野で多く使われるサーマルラベルプリンタへの供給も、ラベルをカットする部分には粘着剤を塗布しない仕様にしているため、のりによるトラブルがなく、カット刃の長寿命化も実現しユーザーから喜ばれている。
 
 点字技術を応用
 「浮き出し3Dラベル」
 
 これまで培ってきた技術を複合的に組み合わせ、店頭でのアイキャッチ性や機能性をさらに一歩先に進めている同社。
 独自エンボス技術により加工された点字ラベルは、すでに大手化粧品メーカーのPOPラベルに採用され、輸送時や店頭でのへこみや折れが一切なく、点字高も0・2㍉以上を実現し評価は高い。点字ラベルについては、欧州ですべての医薬品包装またはラベルに点字表示が義務づけられており、日本においても論議されている状況。ユニバーサルデザインの観点や表示義務化に先駆けての対応などにも、すでに対応できる体制が整えられている。
 さらに昨年末、この点字加工技術を応用して開発されたのが「浮き出し3Dラベル」。
 店頭での商品訴求力は、パッケージ全体で大きな面積を占めるラベルで決まるといっても過言ではない。いかに、売り場で買ってもらえる商品を作るか、ユーザーは日々そのためのアイデアを練っているわけだが、その中で近年注目されているのが「立体」というキーワード。見慣れた平面から脱却し、ものを立体的に見せることで、商品の斬新さを消費者に強く訴えかけることができるからだ。
 このようなトレンドを受け、POPラベルで立体を演出するのではなく、商品ラベル自体を立体的にしたのが、浮き出し3Dラベル。消費者に最も訴えかけたいキャッチフレーズや商品名を、点字ラベルで採用している独自エンボス加工を使って立体化。点字ラベル同様、輸送時や店頭で上から圧力がかかっても浮き出した部分はへこまず、平面ラベルを立体的なものとして魅力あるものにする。この開発品も、「点字加工を、ラベルの装飾技術にも生かせないか」というユーザーの声から生まれたものだ。
 浮き出し加工は文字やデザインの複雑な形状など、加工したい部分のみをきれいに形取るなど品質も高く、ラベルにより商品の高級感を演出できる、とユーザーの評価も上々。使用素材は自由だが、「最も効果的なのは、アルミ蒸着と合成紙。さらに高級感を出すには銀ツヤがよい」と話すのは大野正明会長。前述のワンパス製造技術を開発できたことは大きく、現在は、点字を含めさまざまな装飾技術を盛り込みながら、ユーザーが思い描くラベルを効率的に製造できるようになったと言う。もちろん、同ラベルは、商品ラベルだけでなくPOP用途で採用したい場合は、ラベルの一部に粘着塗工するだけでの対応が可能だ。
ワンパス製造システムの運用開始から5年が経過し、現在は、東京本社と山形工場の両拠点で製造を行い、1ロット数十万枚の大量生産も担う。「各種ラベル商品の開発などを経て、システムの初動段階は乗り越えることができた。今後はこのシステムを生かした各種ラベル製品の製造をさらに本格化させていきたい」と抱負を語る大野会長。エマルジョン型粘着剤の塗工とシリコーン塗工を不良なく運用できる今、友功社は、また一段階上のステップを模索している。
 
 (ラベル新聞1月1日号)

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