日本国内唯一のラベル関連専門紙

ハイ・アングル(2023年5月1日号掲載)

▼質の高い総菜にお菓子が24時間入手でき、訪日外国人を虜にする魔法の箱。緊急事態宣言下では、明かりの消えた街を灯す夜食難民の駆け込み寺に。それが日本のコンビニエンスストアだ。国内最大手、セブン―イレブン・ジャパンの国内第1号店の誕生から今月で50周年を迎えた。爾来、消費者にさまざまな「便利」を届け、同社を筆頭とするコンビニ業界は今や7.6兆円産業に

 
▼(一社)日本フランチャイズチェーン協会発表の統計調査によると、最新の3月度は店舗売上高が既存店ベースで前年比5.8%増、来店客数は同3.6%増と前年を上回る結果に。4年ぶりに行動制限のない春を迎えた同月、好天に恵まれたのも手伝い花見などの行楽需要が後押しした
 
▼消費者の欲しいものを売るのではなく、消費者に欲しいと思わせるものを売る。毎週新製品が生まれては消え、棚から新たなトレンドや価値を問いかける。美味なるもの、安価なもの、いつでも入手可能なことだけが価値かといえばさにあらず。ナショナルブランドよりむしろコンビニ各社のプライベートブランド(PB)が包装の環境対応を積極化。エコという新たな価値像を示す
 
▼中央のブランドオーナーの環境意識に比べると地方はまだまだ。先んじて提案すれば、環境対応という新たな価値を拓いていける。欲しいものを売るのではなく、欲しいと思わせるものを売る。これに有効なラベル製品の開発にチームを組み検証を進めていると、地方のあるラベル印刷会社の経営者は語る
 
▼減プラした総菜包装にPB商品の紙包装化、ラベルレスPET飲料の販売。われわれにとってコンビニとは、環境配慮という宿題が毎週更新される学びの場だ。24時間いつでも次なる価値のヒントを得られる駆け込み寺であり、全国に約5.7万店フランチャイズ展開する便利な寺子屋かのようだ。
 
(2023年5月1日号掲載)

紙面から

▼例年にない熱気に包まれたブリュッセル。世界各国からラベル業界人が「ラベルエキスポヨーロッパ」へ集結し、会期中はいたるところで製品紹介や意見交換など熱論を交わす姿がみられた。9月の同地は最高気温20度ほどと比較的過ごしやすい気候のはずが、連日30度超えが続いたことも展示会熱に拍車をかけた


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