日本国内唯一のラベル関連専門紙

ハイ・アングル(2021年8月15日号掲載)

▼暦の上では立秋を過ぎたが、全国的に猛暑が続く。熱中症への備えが欠かせない天候下、農作物の生育不良や漁獲量の減少も引き起こされるなど被害は甚大。国内だけではなく、海外でも記録的な猛暑に伴う山火事が発生しており、暑さがもたらす脅威にさらされている

 
▼暑さに加えて感染力の高い変異株を警戒し外出もはばかられる中、ECサイトの利用者・金額は堅調に推移。連休に帰省・旅行する代わりに地方の名産品を取り寄せたり、ギフトを送り合ったりするといった需要もみられる。他方、日常で口にする生鮮食品に関しては、依然として店舗を訪れ自分の目で見て触れて選びたいとするニーズが根強い。こうした生鮮食品に対する〝直〟へのこだわりは、アフターコロナやウィズコロナでも不変のトレンドと言える
 
▼日本の農産物・魚介類・畜産品などは高級ブランドとして国内だけにとどまらず、海外市場の開拓に成功して現地の店頭に並ぶ商品も。青果や魚にはブランド名を冠したラベルが直接貼付され、売り場で存在感を発揮している。コロナ禍で対面接客が難しい状況下、販促要員の役割を担うPOPラベルの有用性は評価されてしかるべき。小売店舗では、競合他社との差別化のために消費者の心をつかむ売り場づくりが課題となっている。日々変化する品ぞろえに対応し、小回りのきいた提案でアイキャッチ性を発揮するラベル・ステッカーの出番と言えるだろう
 
▼ワクチンの普及によって経済活動が回復していくことに期待し、年度の下期をめどにキャンペーン・イベントなどの企画が水面下で進行。ラベル業界に対しても、活動再開を目指しブランドオーナーから新製品・提案に関する相談が寄せられているとの話を聞く。電子媒体に置き換えがたい実商品を飾るラベルを携え、来る実りの秋に向けて猛暑を乗り切りたい。
 
(2021年8月15日号掲載)

紙面から

▼例年にない熱気に包まれたブリュッセル。世界各国からラベル業界人が「ラベルエキスポヨーロッパ」へ集結し、会期中はいたるところで製品紹介や意見交換など熱論を交わす姿がみられた。9月の同地は最高気温20度ほどと比較的過ごしやすい気候のはずが、連日30度超えが続いたことも展示会熱に拍車をかけた


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