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ラベルフォーラムジャパン2017 丸の内で火ぶた「デジタル第二幕」

7月6日(木)と7日(金)、「ラベルフォーラムジャパン2017」が東京国際フォーラム(千代田区丸の内)で開幕する。テーブルトップショーでは今回、世界初披露となるインクジェット(IJ)方式のデジタル印刷機と、国内展開へ本格的に乗り出したCTPなどを展示。活況を極めるデジタルワークフローをはじめ、生産性向上のソリューションが多数そろう。東京の中心地でシール・ラベル業界の将来を占うイベントが目前に迫る中、紙面でその〝熱〟の一端を紹介する。

 
エプソン、SurePress運用速度をアップ 従来機からハード・ソフト大幅改善
 
エプソンはこのほど、新型の水性IJデジタルラベル印刷機「SurePress L—4533A/AW」を発表。「同L—4033A/AW」の後継機という位置づけで、特に高速モードでの印刷品位を向上、実際のオペレーションにおける使い勝手を改善することで運用速度をアップした。
SurePress L—4533Aは水性顔料の「SurePressAQインク」を採用し、CMYK、オレンジ、グリーンの6色を搭載して1,900万円、同AWはホワイトインク搭載モデルで1,950万円(いずれも税別・初年度保守料等含む)。発売は9月上旬を予定している。
従来モデルにおいて、分速5メートルの高速モードで課題となっていた、一部の基材との組み合わせで発生するベタのカスレやスジムラを低減。新たに「エッジスムージング機能」も搭載した。エプソン販売の産業機器営業部、宮下正浩部長は「大中小のドットで構成される印刷方法を工夫することで、ベタ塗りの品質を向上。また、エッジスムージング機能を有効にすると、アウトラインを細かなドットがカバーし、微細文字や細線をきれいに再現できる。高い品質を重視して印刷速度が分速2.8メートルの『8Pass』で運用していたお客さまも、生産性が高い『6Pass』モードでご満足いただけるクオリティーになった」と強調する。
バリアブル印刷への対応として、コントローラーを改良。バーコードやQRコードなどの可変情報のデータ処理速度を上げ、従来機から最大で1.8倍速を実現している。
また、多様な基材対応力はそのままに、最小の対応基材厚を従来の100ミクロンから薄手の80ミクロンまで広げた。宮下部長は「SurePressの最大の強みは画質のよさと幅広い基材の対応力。今回の改善により、お客さまがご要望される付加価値の高い商材開発のお役に立ちたい」と話す。
ハード面でも現場のオペレーターからの要望を反映し使い勝手を向上。IJヘッドをはじめとした各部のメンテナンス性を改善したほか、各種パラメーター設定などの操作性も見直した。そのほか、搬送や印刷機構部のカバーを開けずに中を確認できるように、窓サイズを拡大しLEDランプで視認性を高めるなど、マシンを止めずに作業を進めるためのブラッシュアップを重ねた。
宮下部長は「SurePressは現在国内に約60台設置されているが、2019年までに累計100台を目標に展開していく。われわれはマシン単体ではなく、お客さまの既存設備も考慮に入れたプリプレスや後加工、検査装置、さらには、どのように運用して利益を出すかという話も含めて、トータルでご紹介できる。保守料に関しても従来の単年度定額更新方式を見直し複数年の保守パッケージ加入により、現在の保守料金から最大50%引きとなる保守料金メニューも準備している。お客さまに、より幅広い選択肢をご提供することでSurePress導入のハードルが大きく下がった」と話し、さらなる展開を狙う。
 
 
 
エスコグラフィックス、上位機と同性能、低価格CTP レタープレス版専用「DLI」
 
エスコグラフィックス(株)(東京都江東区青海、南文輝社長、TEL03-5579-6295)は今夏、レタープレス専用のCTPイメージャー「DLI(デジタル・レタープレス・イメージャー)シリーズ」の国内販売を本格化する。
DLIはレタープレス印刷方式が主流の中国やアジア市場に向けて開発されたモデルで、エスコのフラッグシップモデルであるフレキソ/レタープレス用CTP「CDI Sparkシリーズ」と同じファイバーレーザー光源を使用。イメージング品質や精度は上位機種と同様としながら、レタープレス版専用に機能を絞ったことで、イニシャルコストの抑制を実現している。
また同機は、将来的なアップグレードにも対応。フレキソ版やドライフィルムの出力が必要になった場合も、必要な機構を後から増強することができる。
DLIのイメージング解像度は最大4000dpi、生産性は毎時0.75平方メートルとスペックはCDI Sparkシリーズと同じ。また対応版厚は0.7から0.95ミリで、筐体のサイズと外観についてもCDIと同様となっている。
エスコのアジア市場モデルは、2012年に発売を開始した「CDI SparkA3」。同機はこれまで約150台販売しており、日本のシール・ラベルの高品質化を下支えしてきた。
新製品に関して担当は次の通りコメントする。
「『A3』は、日本のマーケット事情に合わせて開発した特注モデルだ。安価で高品質と現在も高い評価をいただく一方、それでも投資額に壁を感じる企業が数百社存在することを把握していた」
「〝品質重視〟の日本に対して、DLIはレタープレス印刷が多い新興国向けに開発した〝コスト重視〟のモデル。そこでDLIの販売を決断した」
最もコンパクトな「DLI 1712」は、最大版サイズが420×300ミリのA3サイズ。中間サイズの「同2120」は533×508ミリ、A2サイズをカバーする「同2420」は609×508ミリとなっている。
エスコグラフィックスではすでにDLIシリーズの販売を開始しており、初年度の販売台数を30台と設定。なお今後、DLIとCDIを併売していく。
 
 
 
岩崎通信機、6年ぶり新モデルは「水性」 巨匠(マイスター)、水性で再攻勢
 
岩崎通信機は、水性IJ方式のデジタルラベル印刷機「ラベルマイスターEM―250H」をラベルフォーラムジャパンに参考出展する。本体サイズや操作性、紙幅はUVIJの従来機「同EM―250A/W」と同等のスペックを確保しながら、新機種は最大で分速25㍍の印刷速度を実現。UVと水性の両輪で、デジタル印刷のさらなる普及を後押しする。
ラベルマイスターEM―250Hは、UVインク特有の匂いや厚盛りなどが原因で、使用シーンが限定されることのあった250A/Wを補完する役割を果たす機種。花王が開発した、水性顔料インクを採用し、CMYKの4色を搭載している。
ロール・ツー・ロールの搬送方式や有効印字幅220ミリといった点は従来機同様、印刷速度は分速25メートル、基材によって12.5メートル。本体は、250Wの外観を踏襲している。
対応基材について、第一営業部の大川毅裕部長は「専用紙は想定しておらず、現在、合成紙とフィルムの検証を重ねている。UVモデルも同様だが、印刷適性はお客さまとご相談の上、課題をクリアしていく」と紹介する。
水性モデルを新たにラインアップへ加えることで、デジタル印刷による新提案だけではなく、コンベンショナル機で印刷していた仕事の置き換えも視野に入れた活用が見込める。同社が展開しているラベル作成用のアプリケーション「ラベル美人」から印刷データを出力できるため、従来機と変わらないワークフローで対応の幅を広げられる点も特徴。「印刷速度をはじめ、データ転送や、起動から印刷開始まで、印刷完了から電源オフまでに要する時間、メンテナンス性などの特徴をアピールしていきたい」(大川部長)として、総合的な生産性の高さを訴求している。
デジタルのラベル製造ソリューションで課題となる後加工に関しては、韓国のBITEK TECHNOLOGYが展開する後加工機「anytron」シリーズを、フォーラムで共同出展して紹介する。レーザーダイカッター「any―CUT」、抜きとラミネート加工、スリット処理、カス上げを行える「any―BLADE」などを提案し、スキルレスな作業環境を実現する。
また、同社は市場参入以来蓄積してきた経験・要望から、250A/W用のUVインクと専用基材(耐水紙)も新たに開発、順次リリースする予定。
大川部長は「水性モデルは、ラベルマイスターブランドの対応力を向上させる狙いがある。既存の仕事の置き換えを想定し、デジタル化の入り口として訴求していく。ラベルフォーラムジャパンでは、実機のデモンストレーションをご覧いただける。来場者の声を参考に調整を加え、秋ごろの発売を目指している。UVモデルの周辺機器も充実させるなど、今後もお客さまのニーズを満たすラインアップをそろえていく」と話す。
 
 
 
(2017年7月1日号掲載)

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