日本国内唯一のラベル関連専門紙

ハイ・アングル 2016年1月15日号

市場環境の激変に翻弄される産業は少なくないが、トップメーカーがあえて渦中に飛び込むと予告するのは珍しい。トヨタ自動車は昨年、燃料電池車などの普及を通じ「新車のCO2排出量を2050年までに9割減らす」と宣言した。環境対応がいかに重要といえども、9割減は得意のハイブリッド車にも搭載する内燃機関を大半のクルマからいずれ取り去ると言ったに等しい。過去にとらわれない確固たる意志がうかがえる▼環境をキーワードとする思い切った取り組みは包装分野でも目立つ。資材サプライヤーや再生事業者、さらに飲料メーカーや小売りが歩調を合わせた結果、PETボトルを再生した容器やラベルがラインアップを急速に拡大。〝脱石油〟の模索も活発化し、サントリーは飲料に100%植物由来のPETボトルを導入するため、年内に実証プラントを稼働させると発表した▼包装の印刷加工を根本から見直す動きは海外でも加速する。ラベルの納品を待たず多種デザインを素早く展開でき、容器リサイクルの業界基準も満たしたとして、ベルギーのビール工場は昨年からインクジェット装置を導入。400店舗で販売する商品のPETボトルに直接印刷を行っている。日本では現在禁じられている手法だが「いずれ普及する可能性は高く、大変な脅威」と、シュリンクラベルを手がける企業の首脳は危機感をあらわにする▼デジタルの直接印刷が広まっても、任意の場所に少量から表示や加飾ができる粘着ラベルの便利さが否定されるわけではない。ただ、ラベルユーザーにとって「なぜ」ラベルが最適か、再度掘り下げるのは無駄ではないだろう。貼った方が目立つ、下地が隠せる、被着体と素材感を変えられる、後から剥がせる——。業界人にとって当たり前の特性も、変わりゆく市場の中では新たな活躍の場を見いだせるはずだ。

 

団体

消費者庁は4月10日、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、食品表示法に基づく食品表示基準の弾力的運用を通知。容器包装に表示されている原材料等の原料原産地や栄養成分について、実際に使用されている表示と異なっていたとしても、適正な情報が他の方法で伝達されている場合、該当食品の販売を認めるといった緩和措置を行う。

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